手に入れた幸せは、 誰のための幸せだったのか。

ヘンリック・イプセン『人形の家』より
2026年7月 東京芸術劇場 プレイハウス

TOPICS

INTRODUCTION

近代劇の“古典”が
今を生きる我々の物語に。

ヨーロッパ各国の演劇フェスティバルで活躍する演出家の
ティモフェイ・クリャービンが手掛ける『人形の家』。

そのキーアイテムは……
「スマホ」?

STORY

主人公・ノラ(黒木華)は弁護士の夫・ヘルメル(勝地涼)と仲睦まじく暮らしていた。 献身的に家族と夫を支えるノラと「可愛いわが妻」と優しく妻を扱うヘルメルの間には子供もいて、誰から見ても理想的な生活を送っていた。

ある日、年明けから信託銀行の頭取として着任予定のヘルメルの元に彼の古くからの友人であるクログスタ(鈴木浩介)が訪れる。

ヘルメルの部下になるはずだったクログスタは、実は周りからの評判が悪く、ヘルメルの頭取就任とともに解雇される運命にあった。

代わりにクログスタのポジションに就くのはノラの友人で旦那を失ったクリスティーン(瀧内公美)だった。

DETAILS

タイトルの『NORA』は傑作古典と名高い『人形の家』(原題:The Doll House 作:ヘンリック・イプセン)の主人公「ノラ」の名前に由来しています。1879年のノルウェーで生まれたイプセンの『人形の家』は「父権的な家庭からの脱却」や「女性の自立」を描いた先駆的な作品で、現代のトロフィーワイフ的な扱いを受けるノラがあることをきっかけに夫・ヘルメルの元から離れていく物語です。 注…トロフィーワイフ/Trophy wife:社会的、経済的に成功した男性が自らのステータスを誇示するために結婚した若く容姿端麗な女性を指す

19世紀末の初演から今日まで世界各国で上演されている『人形の家』を大胆に現代風にアレンジした演出で魅せるのはヨーロッパで最も注目を集める演出家のティモフェイ・クリャービンです抒情的でありながら、人間の深奥にぐさりと切りこむシャープな演出は世界中の演劇ファンを虜にしており、彼が演出した『三人姉妹』(作:アントン・チェーホフ)は全編が手話で演じられ、上演されるやいなや注目を集め、ロシアで最も権威ある演劇賞を受賞し、ヨーロッパ各国の芸術祭で大きな話題となりました。 その『三人姉妹』を東京芸術劇場は2019年の東京芸術祭にてプレイハウスに招聘し、そのストイックな演出は見る側に大きな衝撃と感動を与えました。

この度、すでに各国で大評判である彼の代表作『NORA』を日本人の俳優と共に上演することが決定しました。“古典”と呼ばれるこの会話劇をティモフェイは大胆にメッセンジャーやフェイスタイムというSNSでテキストを送り合う“今ならでは”のコミュニケーションで表現をすること決めました。セリフの8割は物語の登場人物たちが手元のスマートフォンを用いてやりとりします。登場人物らが打つスマホの画面はリアルタイムで舞台上にあるスクリーンに映し出されます。

私たちのスマホに届くメッセージはどういう状況で相手から送られてきたのか。普段は決して見ることが出来ない「相手側の生活」を垣間見た時に、『人形の家』=『NORA』は今を生きる我々の物語だと思うかもしれません。

主人公・ノラ役には黒木華、さらに名実兼ね揃えた豪華キャストが作り上げる日本版『NORA』

タイトルロールであり主人公のノラを演じるのはドラマ・舞台・映画とジャンルを問わず活躍する黒木華。2014年に、映画『小さいおうち』で第64回ベルリン国際映画祭・最優秀女優賞(銀熊賞)を日本人歴代最年少(当時23歳)で受賞しました。 NHK大河ドラマ『光る君へ』(2024)において宮中という男性中心社会で強くしなやかに生きた源倫子を演じた彼女が演じる新たなノラ(NORA)にご期待下さい!

さらに、ノラの人生を翻弄するキャラクターは人気も実力も兼ね揃えたみなさまにご出演頂くことになりました。銀行の頭取にまで上り詰めるも妻をお人形扱いする残念な夫ヘルメルを演じる勝地涼、みじめな境遇から抜け出すために足掻くもうまくいかないノラの友人クリスティーンを瀧内公美、さらに、とある秘密を武器に執拗にノラを追い詰めるクログスタを鈴木浩介が演じます。

CAST

黒木華
ノラ

黒木華

勝地涼
ヘルメル

勝地涼

瀧内公美
クリスティーン

瀧内公美

鈴木浩介
クログスタ

鈴木浩介

  • 石村みか
  • 今井公平
  • 越後静月
  • 大滝樹
  • 小幡貴史
  • 木山廉彬
  • 中野風音
  • 天野叶愛
  • 木根渕凛音
  • 佐々木直輝
  • 滝澤このみ
  • 福元愛悠
  • 師岡結月

STAFF

原作

『人形の家』
ヘンリック・イプセン

ティモフェイ・クリャービン

演出

ティモフェイ・クリャービン

ドラマターグ

ロマン・ドルジャンスキー

COMMENT For NORA

演劇の基盤は、俳優が戯曲中のせりふをイントネーションや声のボリューム、表情を変えながら交互にやりとりすることだが、今では急激に古めかしいものになってきている。その答えは簡単で、世界が変わっている、もとい、人々がコミュニケーションを取る方法がものすごいスピードで変化しているからである。

この15年の間にWhatsApp、Instagram、Viber、TikTok、その他さまざまなメッセージをやりとりするSNSが現れ、そして発展したことが根本的に関連している。コミュニケーションは今では多くのレベルで、しかも全く違うフォーマットで行うことができる。

おそらくこのコミュニケーションツールの発展は個々の国で、それぞれのやり方で広がっていることだろう。しかし、世界的な流行であることは明らかだ。SNSはただのコミュニケーションツールではなく、世の中の雰囲気を作り上げたり、意図的に操作したり、何かを規制したり、または政治的な立場を表したりするツールでもある。

会話の手段が変わり、言語も変わり、使う言葉も変わった。今は電話をしたり直接会ったりせずに、完全にテキスト上でのやりとりばかりをしている。楽で、双方向のコミュニケーションではなく、それゆえに安心だと思うからだ。テキストでのやりとりは、日々の生活から切り離せない。

劇場文化は否応なく人生とは切り離せない。だが今日、往々にして劇場が「どんな物語」を上演しているかはさほど重要ではない。最も重要なことは「どんな風」に語られているかである。

私たちは、ヘンリック・イプセンによって150年前に書かれたストーリー(『人形の家』)を、現代ならではのコミュニケーション言語で上演することを決めた。ヴァーチャルリアリティー(仮想現実)上で繰り広げられる生活は実際の生活と裏表一体であり、大抵は完全に一致しないとしても、決して全く相反するものではない。

最も正確に描かれた「その人の人物画」は、スマートフォンの画面に現れる。

美術:オレグ・ゴロフコ 照明:佐藤啓 音響:長野朋美 映像:栗山聡之
衣裳:ヴラダ・ポミルコヴァナヤ 衣裳部:今村あずさ ヘアメイク:赤松絵利(ESPER) 舞台監督:守山真利恵
ドラマターグ:ロマン・ドルジャンスキー 演出助手:田丸一宏 通訳/翻訳:小賀明子
制作:藤野和美(オフィス・REN) 豊田夕羽希 陳逸君 プロダクションスーパーバイザー:ルスタム・アフメドシン

宣伝美術:加藤秀幸(grindhouse) 宣伝カメラマン:北岡稔章 宣伝ヘアメイク:森川雅代
宣伝スタイリスト:植木歩 後藤麻里 宣伝動画:神之門隆広 宣伝:DIPPS PLANET

SCHEDULE&TICKET

東京公演

公演期間
2026年7月15日(水)〜7月26日(日)
※7/19 13:00、7/25 18:00公演は鑑賞サポートあり
*7/22 12:00/18:00公演は記録映像の収録予定
会場
東京芸術劇場 プレイハウス
料金 (全席指定・税込)
S席:10,500円
S席 (前半割 / 平日夜割):9,000円
A席:7,000円
U25:5,000円
U18:1,000円
発売日
2026年4月18日(土)10:00
販売窓口
注意事項
※未就学児入場不可。 ※U25、U18のチケットは前売のみ取扱い(枚数限定・公演当日要証明書)。 ※障害者手帳・ミライロIDをお持ちの方は、割引料金でご鑑賞いただけます。詳細は、ボックスオフィス、または劇場WEBサイト(アクセシビリティ) にてご確認ください(要事前申込)。 ※車いすでご鑑賞を希望のお客様は、ご案内できるスペースに限りがあるため、ご購入前にボックスオフィス(0570-010-296)へお問合せください。 ※全日程でヒアリングループ(磁気ループ)が客席の一部で作動します。 ※やむを得ぬ事情により、記載内容・公演情報等に変更が生じる場合がございます。 ※営利目的でのチケットの予約・購入・転売は固くお断りします。 ※公演中止の場合を除き、ご予約・ご購入いただきましたチケットのキャンセル・変更は承れません。 ※ご来場前に必ず 劇場WEBサイト内の最新情報 をご確認ください。 ── 託児情報 ── 生後3カ月~小学校入学前までのお子様対象 有料・定員制・要事前予約 株式会社明日香 電話:0120-165-115 (平日9:00~17:00) 託児予約 フォームはこちら
お問い合わせ
東京芸術劇場ボックスオフィス
0570-010-296
(休館日を除く 10:00~19:00) 
※宮城、愛知公演 予定

Haru Kuroki

1879年に書かれた『人形の家』に、現代欠かすことのできないスマホが取り入れられることによって、ノラや他の登場人物達の孤独や葛藤、欲求がより見えてくるのではないかと今からとても楽しみでなりません。

これまでのティモフェイ氏のワークショップを拝見し、これからどのように『NORA』が作り上げられていくのか大変興味深く、面白い作品になるに違いないと感じています。

東京芸術劇場へ観劇によく行きますが、舞台に立つのは2011年の『南へ』以来になるので、久々の広大な空間をしっかりと味わいたいと思います。